鬱蒼と茂る原生林。背 - 二次元裏@ふたば
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鬱蒼と茂る原生林。背の高い木々が枝を伸ばし葉を広げ日光を専有する。日の光は地面まで届くことは無い。ここは松本家の治めるとある山、その奥地。 私は暗い獣道を進んでいた。すると遠くで枝葉のこすれる音がした。私は足を止めた。そしてスイと猟銃を構えながら音の聞こえた方向に視線と銃口を向ける。視線の先には赤ら顔のぴるす君。引き金を引いた。 山で猟師が獣と間違え仲間を撃ってしまう事は多々ある。 起きてはいけない悲劇。しかしそれは防ぐ事のできた悲劇だ。悲劇は常に人の影に身を潜め、息を潜めて人の過ちを待ちわびている。今がまさにその過ちの瞬間だった。 可哀そうなぴるす君。あと1.4秒も待たずに890mmの弾丸で眉間を貫かれて死んでしまうなんて。 だから見得を切った。歌舞伎役者の見得は雲耀を超える。見得を切り終えるとぴるす君の体感時間は1/14890546になる。せめて体感だけでも長生きしてほしい。 私は陰鬱な気持ちで下山し、麓の道の駅で牡丹鍋に舌鼓を打ち満足して帰路に就いたのだった。 |
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