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「海鈴お前、夏休みの宿題は？」 「机の上にまとめてあります」 運良く二人のオフが重なった、ある夏休みの昼下がり。立希からの質問に、海鈴は机の上を指差しながら答える。 「そういう意味じゃない……ちゃんとやってるの？」 「私、数学得意なので」 「他の教科も出てるけど……」 呆れ顔の立希とは対照的に、海鈴はスマホを片手に意味深な笑みを浮かべる。 「近々ムジカの皆さんと勉強会を開こうと計画してるんです」 「あっそ……あ！お前もしかして三角さんのを……！」 「人聞きの悪いこと言わないで欲しいんですよ！」 海鈴のスマホには、メッセージアプリのスケジュール画面──他のメンバーは運悪く見れていないのか、未だ候補日に対する反応は無い──が表示されている。 「じゃあ今日はもう帰ろうかな」 「え……」 立希からの言葉に、頭の中が一気に真っ白になる海鈴。呆然とする海鈴に、立希はわざとらしく表情を作りながら、いつもよりも重くなっている鞄を見せつける。 「宿題、持ってきてたんだけどな……海鈴と一緒にやろうと思って」 |
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