「あのさ海鈴……」「 - 二次元裏@ふたば
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「あのさ海鈴……」 「なんですか?」 すっかりと日の暮れた帰り道。賑やかな駅前を抜けて、すっかり静かになった通りを歩く立希と海鈴。 「もしかしてなんだけど──海鈴の家の最寄り駅って、下北沢じゃなくて三軒茶屋じゃない?」 「……」 「いや、なんか言いなよ」 「……その、三軒茶屋は……呑み屋街があるので治安が──」 「それ逆方向でしょ?」 明かに歯切れ悪い様子を見せる海鈴。立希と目を合わせないようにしながらも、なんとか言葉をひねり出す。 「下北沢の方が、通りがいいというか……」 「かっこつけてるんだ」 必要最低限な、それでいて十分な鋭さを持った言葉の刃が海鈴に突き刺さる。もはやこれまでといった表情で空を仰ぎ見た瞬間、不意に手が握られる。 「まあでも、私は遠回りしてもいいよ」 その声に引かれるように視線を移すと、夕陽と街頭の光に照らされた満足そうな微笑みが、海鈴の目に映る。 「こうやって海鈴と隣り合って歩くの、嫌いじゃないから」 |
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