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画像ファイル名:1748008316581.jpg-(47773 B)
47773 B25/05/23(金)22:51:56No.1315806474そうだねx9 00:13頃消えます
【前回のあらすじ】
文化祭でのコスプレ喫茶接客回避のために3Pバンドを結成した1Bバンド三羽烏。立希の夏白ワンピをもって衣装が決定し、いよいよ練習が始まる。
(注:本怪文では作者の判断で時系列をブシドー的にデコンストラクトし花女にもう一度文化祭をもたらした)

「それでは練習を始めていきましょうか」
ややハイテンションの海鈴が宣言する。立希は少し緊張しながらドラムの準備をした。
その後、である。端的に言って演奏には何の問題もなかった。あまりにもつつがなく進んだので、言及することが何もない。
「できましたね」
「できたね〜」
「うん、良かった」
初回通しはこれで終わった。立希も睡眠時間を削った甲斐があった。いちど演奏を始めればこんなにも上手くいくのであったら、これまでのゴタゴタしたゴタゴタは一体何だったのかと思った。この演奏者たちが衣装決めに難航していたのがバカバカしくなってくる。楽器に関しては全く間違いのない女、八幡海鈴。そして三角初華。祥子が少し羨ましくもなった。(こういうところで交わるものか)と、立希は独りごつ。
一方、素晴らしい演奏を響かせたその教室に迫る、ひとつの人影あり。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/05/23(金)22:52:29No.1315806676そうだねx1
その人影は、練習教室の前で止まると、こっそりと中を覗いた。「ムムム…」中には演奏を終えて、楽譜の確認をする3人の人影。それを認めると、人影は勢いよく扉を開けて中に入ってきた。
「ヤヤヤ!妖怪変化!」
大胆に見栄を切る人影と、3人の目が合う。短い沈黙があった。
「…あ、こんにちは。お久しぶりです」
「…お、お久しぶり、です…」
「…どうも」
人影は、文化祭実行委員だった。彼女は3人の顔を確認すると、ペカっと笑った。「皆さんでしたか!スミマセン!外から見たら、中にヴァンパイアとライカンとゴーストがいたものですから!」
「ヴァンパイア…」ギターボーカル、初華だ。
「ライカン…」ベース、海鈴。
「…え?ゴーストって私?」残るは立希しかいない。
(もしかしてこのモンスターズの横だとこの白いワンピが幽霊コスに見えるってこと?)立希は自分だけはまともな服を着ていると思っていたので、軽くショックを受けた。「あの、これ、ゴーストじゃないです…」
225/05/23(金)22:53:37No.1315807068そうだねx1
委員はニコニコしている。人を焼く、アイドルの笑顔だった。立希は同じ笑顔を最近見たことがある。しかし立希はもう靡かない。理想はあくまで硬派。そう心に刻み込み、心の中で『That Is How I Roll!』をかき鳴らした。
「皆さんは、文化祭のための練習ですか?」
「そうなんです。私たち、3Pバンド組むことになって」初華はsumimiモードになって答えている。
「スゴいメンバーで新しいバンドが出ると校内でも話題です。さっきもミッシェルの妹が宣伝していましたね!」
「ミッシェルの妹…?」聞き慣れぬ単語に立希は思わず聞き返す。
「パンダ柄のミッシェルですよね?」委員は、部屋の隅に転がされていた偽ミッシェルを指差して言った。「色が違うためにミッシェルランドを追放されて、今はRingのマスコットをやっている、スモウとウクレレの達人だとか!」
彼女は、立希たちの全く知らない情報を教えてくれた。どうやら海鈴の奇行によって生み出された偽ミッシェルが、風に乗って独り歩きし、よくわからない設定が勝手に盛られているらしかった。当の海鈴は「そうなんですね」などと言っている。もし彼女がハロハピから訴えられても、してやれることは無い。
325/05/23(金)22:54:10No.1315807271そうだねx1
「その噂のバンドが、モンスターのチームで、その正体が皆さんとは、びっくりですっ。まさに"幽霊の正体見たり枯れ尾花"ですね!」委員は嬉しそうに言った。
「あの、これは、幽霊じゃないです…」立希は力無く呟いた。
「さっきの演奏も少し聞こえていました。すごくよかったですっ!とにかく、頑張ってくださいね。応援しています!」
「ありがとうございます。」初華がアイドルスマイルで答えて、去っていく委員を見送った。慣れた仕草で、流石はsumimiの初華であったが、普段の様子からすると不気味なくらいの変わりようでもあった。
委員が去った後、初華は偽ミッシェルの抜け殻に近づいて、その頭に手を当てて何かを語りかけていた。
「君も…姉妹と上手くいってないんだね…」
初華はさわさわと偽ミッシェルの頭を撫でる。彼女は存在しないキャラクターの存在しない設定に同情しているようだった。しかも、そのサイズはアフガンハウンドくらいに縮んでいる。あまりにも得体の知れない行動だったので、立希は見なかったことにした。
425/05/23(金)22:54:38No.1315807475そうだねx1
「ところで」海鈴が喋り始める。「先ほどの方は文化祭実行委員の方ですよね?おふたりはお知り合いなんですか?」
「まぁ…一時期バイトしてたとこの先輩、になるのかな…」と立希。
「私は、アイドルの先輩って言うか、お仕事で何回か一緒になったんだけど」初華もこう説明した。
「そうなんですね…」海鈴は少し寂しそうだった。自分だけが彼女と知り合っていないのが悲しいのだろうか。一匹狼を気取っているくせに、すぐこれだ。立希は一応「まぁ知り合いなんて偶然できるもんだから」と慰めておいた。
それを聞いていた初華は少し首を傾げていた。そして「でも海鈴ちゃん」と海鈴に声をかけた。
「Ave Mujicaでも一回だけパスパレさんと一緒になったことなかったっけ」
「…え」
「海鈴?」
「あ、なんだか思い出してきた。あの時は一応ご挨拶に、ってなってたけど海鈴ちゃんと睦ちゃんは来なかったんだよ。だから私たち3人で挨拶に行ったんだ」
「…そうでしたかね?」海鈴は目を逸らす。「海鈴お前…」立希はこの件の真相を見抜いた。
525/05/23(金)22:55:12No.1315807691そうだねx1
「海鈴の交友関係が浅いの、自業自得じゃん」
海鈴がギクッとして「立希さん。待ってください。結論を急ぐには早いです。落ち着いて」と弁明を始める。
立希はわざとらしくニヤリと笑った。「あーあ、やっぱりかぁ。なんというかなぁそんなだからなぁ」
「あ、やめてください、立希さん」海鈴が慌てて止めようとする。だが遅い。
「お前はしんよーーーーーーー」
「ああああ、やめて、やめてください立希さん、それはよくないです、止めて」
「ーーーーーーーーーー」
「違うんですよ。その頃は何と言うか、まさかこんなことになるとは、思ってなかったと言うか」
「ーーーう無いんだよなぁ」
「グェッ」海鈴がノックダウンした。「酷いです立希さん。裏切りです」
「私には裏も表もない」
初華は「あはは…」と曖昧に笑いながらふたりのやり取りを見ていた。フォローのしようが無かったからか、もう面倒になったからか、あるいはもはや腹に据えかねていたからか、海鈴を助ける素振りは微塵も見せなかった。
625/05/23(金)22:55:37No.1315807840そうだねx1
へにょへにょになった海鈴は、スマホで彼女のことを調べ始めた。「若宮イヴさんですね…」
「北欧系の人だった気がするよ」
少し調べていた海鈴は「少しお話を聞いただけですが」と、また難しい顔をして唸る。「また気になることがありますね」
「どした」
「若宮さんと私は、キャラ被りをしているのではないか、と」
「お前丁寧語使ってる人が全部自分に見えてるの?」
「流石にだいぶ違うよ。海鈴ちゃんしっかりして」
「いえそう言うわけではなくてですね」と、スマホに表示された一文を見せてくる。「この彼女が武士道を重んじるという点です」確かに若宮イヴの紹介として、捕捉的にそう書かれている。
「海鈴、お前は武士じゃない」
「目を覚まして海鈴ちゃん」
「お聞きください」海鈴は掌を前に出してふたりを制止する。「武士道というのは、仁、義、礼、智、信…つまり」海鈴は指を立てる。「信用です」海鈴は自信たっぷりに言い切った。
725/05/23(金)22:55:59No.1315807980そうだねx2
そこまで聞いて立希はどデカいため息をついた。
「お前は頭の中で信用パズルでもやってるの?」
「信用パズルとはなんですか?」
「…信用パズルってのは…いや信用パズルって何」
「よくわからないものを出さないでください」
海鈴がやれやれといった調子で言った。確かに何も考えずに発言したのは立希だが、なぜ立希が悪いみたいになっているのだろうか。初華は「武士…忠…さきちゃん…?」と、ひとりでルール不明の連想ゲームをやっていた。
「何にせよ、Ave Mujicaがメジャーでやって行くならば、いずれ彼女と相対する日が来るかもしれません」
「あ、もう海鈴がムジカの信用キャラで行くことは確定してるんだ」
「おや、不満ですか」
「不満というか、驚いてる。その自信に」
「海鈴ちゃん次は挨拶できるといいね!」初華の悪意なき言葉のナイフが突然飛んでくる。
「三角さんそれやめてください」海鈴はちょっと泣きそうだった。
825/05/23(金)22:56:46No.1315808286そうだねx1
「というかベースがキーボードに対抗するのよくわかんないでしょ」
「では、えーと…」海鈴がまたスマホを触る。「白鷺千聖さんですか」
「いやパスパレの同じ楽器に対抗を続けろって言ってるんじゃないけど」
海鈴は画像をフリックしながら「見た感じ白鷺さんも裏表が無くて信用できそうですね」と言った。写真から何がわかるものか。
「お前には信用スカウターでもついてるの?」
「信用スカウターとはなんですか?」
「それは信用の…いやなんなんだよ信用スカウター」
「だからわからないものを出してこないでください」
海鈴が憤慨している。立希は、海鈴相手にそんなに考えて発言しているわけがないのだから、いちいち引っかからないで欲しいと思った。「キーボード…アイドル…さきちゃん…?」初華の連想ゲームは先ほどより明瞭だったが、なおルールが不明だった。立希は、初華がイマジナリ祥子を頼ってふたりを適当に無視するのに慣れてきているのに気がついた。あまりに危険な兆候だった。
925/05/23(金)22:57:44No.1315808620そうだねx1
「ともかくですね!今や私たちが目指すのはパスパレ超えです!」海鈴が大きな声で宣言する。あまりに急な話で何が「今や」なのかもわからなかった。初華も狼狽える。
「ええ!?そんな話だったっけ?いつのまに!立希ちゃん今一体何が」
「いや知らない…」立希は手綱を投げ捨てた。
「今日もあと何回か通して本番に備えましょう!」
なんらかのスイッチが入って、やけにハイテンションな海鈴に叩かれ、その日は何度か曲を通すことになった。
しかし、である。やはり演奏はほとんど完成されていた。海鈴の話を真に受けるわけではないが、立希は、このふたりがいれば失礼ながら並のアイドルバンドごときに遅れをとることはないと思った。演奏が始まれば、このバンドには無駄なものがない。立希の理想はあくまで硬派、硬派なのだ。我ら1B三羽烏、見た目は色物でも、文字通りのモンスターバンドとなるべし。
かくしてバンド名は「M∞n3tar」に決まった。実行委員の勘違いと、初華の最初のアイデアが盛り込まれた。決まってしまえば、あとは本番を待つばかりであった。
1025/05/23(金)22:58:36 sNo.1315808932そうだねx6
さすがにそろそろ文化祭バンド編を畳まないと…
戯れなれば
1125/05/23(金)23:04:37No.1315811197そうだねx4
>「見た感じ白鷺さんも裏表が無くて信用できそうですね」と言った。写真から何がわかるものか。
>「お前には信用スカウターでもついてるの?」
そのスカウターぶっ壊れてるよ
1225/05/23(金)23:08:20No.1315812640+
どうでもいいと判断すれば普通にスルーする初華…
1325/05/23(金)23:08:50No.1315812839+
>初華がイマジナリ祥子を頼ってふたりを適当に無視するのに慣れてきているのに気がついた。
初華はさあ…と思ったがイチャイチャに一々突っ込んでられないから逃避も必要なのかもしれない
1425/05/23(金)23:09:31No.1315813131そうだねx5
文化祭バンド編ということは…別の編もあるということ…
戯れは…長く続く…
1525/05/23(金)23:11:36No.1315813989+
花女にはまだブシドーあるアイドルが在校生としているから時間も自由自在なのか
1625/05/23(金)23:19:01No.1315816889そうだねx1
>M∞n3tar
コラボ宣伝乙
1725/05/23(金)23:22:17No.1315818154+
パスパレもギターが天才でドラムが超実力者だから
りっきーが脚を引っ張りそうなM∞n3tarでどうなるか
1825/05/23(金)23:25:19No.1315819245+
初音は愛音ちゃんと密会する時にイヴちゃんと会ってるんだよな…
1925/05/23(金)23:28:32No.1315820350そうだねx2
音楽部分に関して特にハードルがないのがムジカの長所だよな…
2025/05/23(金)23:31:23 sNo.1315821374そうだねx7
大文字のMは天球に浮かぶ逆さまの大三角を表し、これはフロントの三角初華のことです。二つ重なったoはその中心に輝く二重星アルビレオを表し、椎名立希と八幡海鈴を指しています。しかし3人は対等な3つの星でもあり、セッションを通して1匹の怪物になるという意味もこめられています。また、三角初華の月と星は空でひとつであるという思いも感じることができます。その名前は初華がいずれ出会う存在をも示唆し、主人に従順であることを示しています。
2125/05/23(金)23:32:36No.1315821836そうだねx4
なんて…?
2225/05/23(金)23:33:27No.1315822148+
MoonとStarを掛けたMonsterなのか
2325/05/23(金)23:36:33No.1315823298+
戯れに凝ったバンド名を
2425/05/23(金)23:38:19No.1315824062+
コラボ先のmon3trから取ったんだと思ってた……
2525/05/23(金)23:38:22No.1315824077そうだねx1
さすがの初音もイヴちゃんと似てるという海鈴の世迷言には突っ込まざるを得なかったか…
2625/05/23(金)23:41:00No.1315824977そうだねx4
偽ミッシェルに同情する初華でダメだった
2725/05/23(金)23:42:33No.1315825516+
美咲も言ってたけどミッシェル妹ってどのくらい設定あるんだ…
2825/05/23(金)23:42:50No.1315825616+
>さすがの初音もイヴちゃんと似てるという海鈴の世迷言には突っ込まざるを得なかったか…
ヅラみたいなこと言いやがって…
2925/05/23(金)23:44:45No.1315826252+
この三人案外相性いい気がしてきた
3025/05/23(金)23:48:54No.1315827691そうだねx1
千聖さん評が真逆で笑う
本物の千聖さんの迫力を見てビビり散らかして欲しい
3125/05/23(金)23:49:56No.1315828137+
色が違うためにミッシェルランドを追放されて今はRingのマスコットをやっているスモウとウクレレの達人
片親が違うために小豆島を出奔して今はAve Mujicaのフロントマンをやっているギターとボーカルの達人
いっしょよ
3225/05/23(金)23:49:59No.1315828155+
白い死装束を纏い井戸から出てくる黒髪長髪のゴーストです!
3325/05/23(金)23:51:24No.1315828644+
まあ千聖さんは裏表というよりストイックで相手次第で態度が露骨に違う人って感じだから…
なんかこう書くとりっきーみたいだな
3425/05/23(金)23:51:45No.1315828764+
>この三人案外相性いい気がしてきた
コメディ向きなのは間違いない
話が噛み合わなくなったりするのも含めて…
3525/05/23(金)23:51:56No.1315828820+
アイドルバンドなら超えられるっしょのノリで麻弥のドラムと日菜のギター聴いてビビるとこ見たい
3625/05/23(金)23:58:25No.1315831143+
どこでも外様扱いだった哀しきサムライティモリス

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