メジロラモーヌ以来、二人目のトリプルティアラを達成したスティルインラブ。彼女は人の縁と巡り合わせの大切さを痛いほどに感じていた
「３冠を取ってからだと記憶していますが…」
彼女のトレーナーから意外な人物の名前を聞くこととなる
「マヤから、私はいいからスティルを指導してやってくれと頼まれてたんだ」
彼女の先輩だったマヤノトップガンは当時トレセン学園から離れていた
疎遠となっていた恩ある先輩の名前をこうした場面で耳にするとは想像していなかった
確かにあの時、引退した元トレーナーに代わり現トレーナーから声がかかった。マヤが頼んでいたのだ
厳しいトレーナーが自由に走らせてくれたこと。チューリップ賞の敗戦のあと、励ましてくれたこと。点と点が線で結ばれたようだった
「URAを辞められていましたからメールをしました。返事はありませんでしたけど」
当時、マヤの電話番号が変わってしまっていたのかは定かではないが、メールを見たからといって折り返し返信をするような野暮なウマ娘ではないだろう
田原が松元に「英明を頼みます」と頼んだ、その縁で生まれた数奇な巡り合わせが重なりトリプルティアラの偉業を成し得たのだ