「ねえ、燈ちゃん。CRYCHICは、本当に終わっちゃったんだね」
　立希ちゃん、燈ちゃんだけじゃない。睦ちゃんと祥ちゃんも、たぶん卒業できたんだよね。
「もう、昔の話になっていくのかな。楽しかったことも、うれしかったことも、悲しかったことも、苦しかったことも」
　私もきっと、いつか過去にしちゃうのかな。
「私、なんだか寂しくなっちゃって。こんな風に、CRYCHICの話をするのも最後かもってね。……って、ごめんね。これからなのに、これまでのことばっかりで」
　って言っても、燈ちゃんはきっと……。
「えっと……そよちゃんにとっても、私にとっても、大事な場所は、気持ちは、ずっとなくならなくて、消えたりしなくて……私も、いつまでも覚えてるから……」
　ほら、燈ちゃんは、いつだってまっすぐぶつけてくる。
「私も、そよちゃんと同じで……だから、これからもずっと、一生一緒にやろう」
　こういう風に自分の気持ちを伝えてくる燈ちゃんだからこそ。
「……燈ちゃん、ありがとう」
「ど、どういたしまして……？」
「でもね、そんな言い方ばかりしてたら、いつか誰かに勘違いされちゃっても知らないよ？」
「か、勘違い……？」
　私みたいに、ね。